新緑が美しい季節になりました。僕が住む東北の地域も、だいぶ過ごしやすくなりました。明け方の朝まづめになると「あぁ、きっと今魚が朝もやの中で、ライズしまくっているんだろうなぁ。」と思いながら、過ごしています。
フライフィッシングのハイシーズン
6月は、フライフィッシングのハイシーズンです。4月5月は、まだ寒かったり風が強かったりする中での釣りになります。寒さで手がかじかんで、フックにティペットが通らない中でも、風にあおられないようにループの細いキャスティングを試みたり、フライを沈めてみたりドライフライ以外のスキルが広がる時期でもあります。6月は気候も落ち着き、自然も美しく、魚たちの活性も上がる。また、4月に比べて栄養を蓄えて、サイズの大きくなった魚たちは美しく力強い。また、そういう魚たちは食欲もあるので、フライにもよく反応する。まさにハイシーズンでした。寒さに左右されることなく、フライフィッシングに真正面から向き合える面白い時期です。
フライタイイング
フライタイイングも楽しみの一つでした。この時期に羽化するカゲロウやらの羽虫をイメージして、あまり毛が多くならないようにハラリと巻いて仕上げる。魚目線でどう見えるかなぁと考えて巻きます。フライの角度を変えて、想像して、また考えながら巻く。そもそも魚に色の識別はできるのだろうか?水面に漂う虫は、水面に着水している脚や尾だけではないか?それなりの形ができていることと、足の数があまりにも多くならないことなどが大事じゃないか?
それと、視認性もとても大事で、インジケーターとなる部分は、特にドライフィッシングにおいては面白さを左右します。魚が銜える瞬間を見られるのが、至高の楽しみなのに、あれ、フライがない、ん?あれっ、釣れてる!釣れているのは嬉しいけれど、自分の巻いたフライに飛び込んでくるイワナやヤマメの姿が見えないなのは、楽しさは半減するのです。考えながら巻いたフライは、ボックスを開くとその時の思考が蘇ってきます。そのフライで釣れたなら至福の時です。「この考え方でフライを巻くのは正しかったなぁ。」とフライタイイングの僕なりの思想が深くなります。
フライフィッシングは、ロッドやリール、ライン、ウェーダーなど、ある程度の道具や装備を準備することは前提となります。フライフィッシングは、魚の潜む場所を見極め(または、魚を見つけて狙いを定め)、羽化している羽虫を模したフライを選択し(または、魚が好んでこの時期に食べている虫を模したフライを選択し)、川の流れを見てフライを着水させ、自然に漂わせ、魚のいるポイントを流すようにプレゼンテーションをする。見事に魚が出てきたら、テンションを適度にかけながら、手繰り寄せネットに収める。つまり、1匹の魚を釣り上げるのに、一人の人間の技術と知識、思想性が必要な釣りなのです。
だからこそ、「魚を釣り上げたのは、自分の実力だ。」との充実感を得られる釣りなのです。すべての自分の選択の結果が釣果となって現れます。僕が、フライフィッシングが好きなのは、それらが理由です。釣れなかったら、自分の何かが足りなかったということ。それは、キャスティングの技術かもしれないし、羽虫の羽化する時間帯についての知識不足かもしれない。考えながら、良い釣りに高めていけるのがフライフィッシングなのです。
あぁ、今年も6月だ。フライフィッシングの良い時期だなぁと書斎から、外を眺めながら考えています。
読んでいただきありがとうございます。良い1日になりますように。