単身赴任をしている宿舎では、カメムシが大量に発生します。入居時に掃除をした際には、部屋中のあらゆるところから、カメムシの死骸が見つかりました。特にも窓枠にカメムシが多くいました。これは、カメムシと闘いの日々になるなと予感させられるスタートでした。
3月中旬くらいからでしょうか、1匹、2匹とカメムシが姿を表すことが多くなりました。その独特の匂いとともに、近くに存在を感じることもあります。匂いで存在感を醸し出すってすごい力です。4月の中旬になると活性が盛んになり、部屋の中を飛び回り出しました。カメムシ対策は、日本中様々なところで話題になっているところです。僕が愛聴している「科学のラジオ〜radio scientia〜」では、黒ラブ教授がコールドスプレーでカメムシに対応している旨の話を興味深く聞きました。僕は、より直接的に、トングでつまみ、外にリリースするという方法を取っています。布団の上や服の上、蛍光灯のひもについているので、スプレーなどはなかなか使えません。トングは、100均で入手しました。もちろん流用したりせず、カメムシ用です。
僕自身は、カメムシやカメムシの匂いなど、それほど嫌悪感を持っているわけではありません。けれど、想像してしまうのです。もしも、このカメムシが…、あぁあぁあぁあぁ。その僕自身の想像力や妄想が原因かもしれませんが、共感してくれる方は多いのではないでしょうか。
このカメムシが寝ている間に、口の中や耳の中に入ってきたら…、あぁ恐ろしい。
4月中旬以降、帰宅して明かりをつけていると蛍光灯の周りを羽音を立てて飛び回るカメムシの姿がみられるようになりました。その都度、トングでつまみ、外にリリースするのですが、日を追うごとに、その頻度は増えていきました。最初は、寝る前に1回。それが、2回に。そのうちに、1度に3匹、4匹がかなりの羽音で飛び回り、つまんで出すのも一苦労な状態に。「あぁ、めんどくさ、もういいやキリがない。しばらく飛ばせて、仕事を続けよう。」そんな闘いに疲れた僕を見透かしてか、仕事をしている手にぺたっとカメムシが止まったこともありました。急いで、振り払いました。部屋のどこかへ放り出されました。また、いずれ羽音とともに飛び出してくるでしょう。出勤時、車に乗り込むと、聞き慣れた羽音が響き出しました。僕が部屋の中から連れ出してきたのです。カメムシを。スーツについていたのか、カバンについていたのか定かではありません。相手もなかなかの猛者です。忍び寄る技術は僕の及ぶところではありません。「やばいぞ。カメムシに何されるかわからん。」そんな気持ちになったのは、これまでのカメムシとの抗争の経緯からです。寝る前に、また、羽音を立て飛び出して「面倒くさ。1匹くらいいいや、寝てしまおう。」という自分と「いやいや、何されるかわからんぞ。不安要素は取り払って安心して眠ろう。」その2つの思いで葛藤します。結局、恐ろしさと安心して眠りたいとの思いからトングで取り払うことを選ぶのです。
カメムシが独特の匂いを出すこともあれば、出さないこともあります。カメムシに聞いたことはありませんが、カメムシであっても、その存在が脅かされるような状況では、撃退するためにあの匂いを出すのでしょう。一方で、カメムシが存在を認められ、ストレスを感じない状況では、きっと匂いを出すことはないのでしょう。僕とカメムシとの抗争として語ってきましたが…その抗争の中で、匂いがするのは7・8回に1回というところでしょうか。つまり、あまり匂いで嫌な思いはしていないのです。言い換えると、抗争を通じて、カメムシにストレスを与えず共存することに近づいているのです。
あとは、僕が妄想と恐怖を取り除き、安心して生活することができるのなら、十分共存は可能だと思います。ストーブのシーズンが終わり、次はカメムシとの共存シーズンがテーマの日々に入りました。
読んでいただきありがとうございます。良い1日になりますように。