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【小説】喫茶店「歌澄」の述懐④

【小説】喫茶店「歌澄」の述懐③そして店内に客は、誰もいなくなった。コーヒーの香りとBGMが空間を優しく包む。昭和の歌謡曲が流れ、深煎りの豆を店主は、手で挽く。心地よい音が響く。サーバーにドリッパーをセットしてお湯を注ぐ。コーヒーは、その日ご...
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【小説】喫茶店「歌澄」の述懐③

【小説】喫茶店「歌澄」の述懐【小説】喫茶店「歌澄」の述懐②コーヒーの香りが店内を包む。コーヒーの香りとともに、お菓子を焼いた甘い匂いが、店内に漂う。かけがえのない、とても大切な空間。ここにいてもいいんだなっていう安心感が、香りとともに店の中...
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【小説】喫茶店「歌澄」の述懐②

【小説】喫茶店「歌澄」の述懐若い女性がカウンター席に座っている。大学生くらいだろうか、何度か見かけたことはある。店主との話が弾んでいるのだろう。時折笑い声も聞こえる。店主が図書館司書として勤めていた学校に通っていて、教室に入れず、図書室で過...
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【小説】喫茶店「歌澄」の述懐

その喫茶店は、海沿いの町にひっそりと佇んでいた。震災後に建設された防潮堤により、町の人々の日常から海が遠い存在になってしまった。町と海がともに生きていた日々が懐かしい。