時代の空気

経験

BOOWYが好きでした

BEAT EMOTIONというアルバムをよく聞いていました。友達にダビングしてもらったテープを何度も何度も繰り返し聞いていました。当時は頭出しなどできなかったので、おっこれはいい!と思った曲や好きな曲を聴くときは巻き戻しボタンを押して十数秒待って再生ボタンを押し、行き過ぎたり、手前すぎたりしながらも、もう一度同じ曲を聴くために飽く事なくカセットデッキをいじっていたものです。時代はレコードやカセットテープからCDからMD、iPodと移り変わり頭出しなどしなくても、リピートして何度でも同じ曲を聴くことができるようになりました。便利になったものです。BEAT EMOTIONの中に収録されているB・BLUEやOnly Youなどは、特に好きでした。初めて買ったシングルレコードは、確かマリオネットだったと思います。BOOWYは、氷室京介、布袋寅泰、松井恒松、高橋まことの4人編成の日本の一時代を築いたロックバンドです。(BOOWYの表記は正しくないので、ここからは、カタカナで表記します。)とにかくかっこいいバンドでした。

BEAT EMOTIONの次は、マリオネットが収められているPSYCHOPATHをよく聴きました。この2つのアルバムでは、音楽性が結構違うように素人ながら思います。より洗練され、深みのある感じがPSYCHOPATHから感じられました。PSYCHOPATHのMEMORYは、なぜか今でも時々思い出し口ずさんでいることがあります。”スーツケースに全て詰め込んで…”のフレーズが時々僕の頭の中を巡ります。とても美しく切ない曲です。

CDで聴く VHSでライブを観る

松井恒松のベースと高橋まことのドラムがボウイのリズムを支え、そこに氷室京介の声の魅力と歌唱力とかっこよさが際だち、布袋寅泰のカッティングギターがリズムを刻み、ボウイの楽曲の雰囲気を醸し出す。ただただかっこよくアルバムの全曲を繰り返し聞いたものです。(テープの操作が面倒というのもあったと思います。その頃には、確かオートリバースというテープのA面からB面へ自動でかわる機能も一般的になっていました。)

ボウイへの関心は、だんだん大きくなりライブの映像も入手しました。ライブやギグズという言葉もボウイに関わって出てきたように感じています。(違うかもしれません。)VHSでライブ映像を入手し、これも擦り切れるほど見ました。恥ずかしながら、氷室京介の歌い方や布袋寅泰のギターの弾き方の真似事などもしていました。

かっこいい!

憧れたのを覚えています。CDの曲から僕がイメージした姿の倍以上に、実際のバンドの映像がかっこよく見えました。歌い方やステージ上での振る舞い、メンバーそれぞれの個性とパフォーマンス全てがかっこよかった。

影響力の大きさ

僕はかなり感化されました。髪の毛も氷室京介のような髪型にできないかなぁとジェル(と当時は言っていたと思います。)やハードスプレーなどをつけたり、ドライヤーを当てたりして真似しましたが、地毛が天然パーマで汗っかきなこともあり、すぐにペターっとなり、お笑い芸人が七三分けにしたみたいな、氷室京介とは全く似ても似つかない状態になったりしました。

でも、その後のビジュアル系と呼ばれるバンドの隆盛を思うと、このとき僕と同じように聴かせて魅せるボウイに憧れ、見た目を整えることができて音楽性も持ち合わせた人が少なからずいたのだろうと思います。ボウイに憧れていた人も少なくないはずです。

過去の作品へ

ボウイへの関心は、当然のように過去のアルバムへと向かいます。JUST A HEROやモラルなども聴きました。遡って聴くと、一枚ごとに音楽性が変わってきたこと(変えてきたこと?)がわかります。1枚目のモラルも好きなアルバムです。シンプルな楽曲が多く、これもよく聴きました。ON MY BEATなどは名曲だと思います。どこか不器用な、尖った表現が感じられるのもこのアルバムの特徴だと思います。

80〜90年代の曲がかかると思い出す

僕の世代の人口は、多いと聞きます。その年代をターゲットにした歌謡曲が時折街で流れることがあります。先日はボウイのNO NEWYORKが流れてきました。「おっ!ノーニューヨークじゃん!ボウイだ!」と思うのと同時に、その頃おそらくその曲とともに見ていた景色も一緒に思い出したのでした。実家の自分の部屋でデジタルコンポの前でギターを曲に合わせて(合っていませんでしたが)弾いていた。洋服ダンスと塗装の剥がれたカラーボックス。そこにボウイのアルバムが並べてあって…。

時代の空気なのだろうか

NO NEWYORKを聞いて、その頃の(当時は昭和です。)空気感まで思い出したのでした。それは、僕の同年代全員に共通することではないと思います。あくまで個人的な経験なのでしょう。僕にとっては、ボウイの初期の曲が昭和の空気を感じる何かを含んでいたのかもしれません。でも、再度昭和の空気感を感じたくて、ノーニューヨークを聴いたとしても同じように当時を思い出せるか分かりません。というか、なんとなく難しいような気がします。

僕たちの住む地球の空気組成の微細な変化

私たちが毎日過ごしているこの地球の空気は、1年ごとに組成がわずかながら変わっているそうです。例えば噴火などが地球上のどこかであった年は、少なからず噴煙の粒子が空気中に含まれる。それが年輪のように降り積もっている湖が私たちの住む日本にあると科学のラジオで聴きました。

人間は、何気なく暮らしている中で音や匂い、味、気温、室温、大気圧などを結びつけて記憶しているのかもしれません。何かでピタリとハマった時、その当時の時代の空気を五感とともに思い出しやすくなるのではないか、そんなことを懐かしく大好きなボウイの曲とともに思い出したのでした。

読んでいただきありがとうございます。良い1日になりますように。

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