【失敗談】スニーカーと革靴

経験

こんなことは、はじめてだぁ!

とある会合で…

これまでお世話になった方々も出席されるかなりフォーマルな会合です。仕事終わりの夜の開催ということもあり帰宅後、急ぎシャワーを浴びて、歯磨きをして、髪を整えました。着替えをしながら、時計を見ると時間がもうありません。自動車での移動時間を考えるとギリギリだと思われます。パソコンで会場は確認しましたが、土地感の弱い場所なので迷うことも考えられます。急いで着替えをして身支度を整え、宿舎を出ました。

平日に、暗くなってから外出することはあまりありません。だからほとんど困ることもないのですが、この宿舎の玄関の明かりは、靴を履いてしまうと手が届きづらいところにスイッチがあります。いつも靴の場所を目視して記憶し、スイッチを消して真っ暗にしたあとに記憶を頼りに靴を履き、外出します。

この日は、着替えをした洗面台の鏡で身なりを確認し、”よし”と確認してから部屋の明かりを消し、真っ暗な玄関へ向かいました。「さっきあの辺りに革靴を脱いだから、そのままままの向きに違いない。わざわざ、玄関の明かりをつけるまでもない。もし、間違っても玄関に並んでいるのは、かかとのないサンダルだけだから、間違って履けば、さすがに気づくさ。」
その記憶に沿って、体の向きを変えて、右足で探ると…、
「ビンゴ!」
ぴったり、その場所に右の靴がありました。サンダルではありません。そして、左足を伸ばして探ると…、
「ビンゴ!!」
「やるなぁ、俺って。」左の靴もぴったりその場所にありました。かかとまでフィットする感覚は、絶対にサンダルではありません。ただ、今にして思えば左足をソフトに包み込むような温かさが右の靴に比べてあったように思います。
サンダルの他に靴なんかなかったし、脱いでそれほど時間も経っていないから温もりが残っているのだろうなんて、浮かんだ疑念を軽く流し出発しました。

なんとかギリギリ間に合う時間に出発できました。道中も速度を守り、焦らず運転しました。途中見張っているパトカーを見つけましたが、道交法を守っているので、何も恐れることはありません。気持ちは落ち着いているなとそこでも自己確認できました。

会合の場所へも、勘が冴え、迷うことなく到着することができました。正装した人々が数人会場に入っていくのを目にします。駐車し、ミラーで最終確認して自動車を降り、会場に向かいました。明るいところで、靴に泥など汚れがついていないか見ると…

あぁ、やってしまったぁ!

ん?んん?れ?あれれ?
一瞬目がおかしくなったかと思いました。右と左の靴の色が違うのです。
ん?ンンン?ウゥゥン…。
目がおかしくなったのではありませんでした。色もデザインも確実に違います。なんと、片方ずつ違う靴を履いていたのです。やってしまった。ここに来るまで気づきませんでした。
革靴とスニーカーでした。スニーカーが玄関先に並べてあったとは…、それもイレギュラーな場所にあったとは気づきませんでした。大失敗。

さてどうしよう

このまま行こうか。いやこれは恥ずかしいで済むレベルではない。人格を疑われるレベルだ。アスリートが左右カラーの違う靴を履くのとは意味が違う。個性やおしゃれで済まない。スニーカーと革靴なんて聞いたことがない。上がフォーマルで靴がスニーカーと革靴なんて、なんともならない。宿舎に戻り履き替えてこようか、いやもう時間的に無理だ。どうしようもない。何よりも、この姿を誰かに見られることさえもまずい。「あいつ来てたのにこの会場にいないなぁ。」とか「ヨォ、君も今来たのか。一緒に入ろうなんて声かけられたら最悪だ。」今が、最も参集する時間帯だと思われます。自動車に戻ろう。そして、急用で参加できなくなったと連絡を入れよう。

結局この日は、宿舎に戻りました。幸い、知人の顔は見ていないし、見られていないように思います。
手が届きにくい照明のスイッチを入れると、左右別の靴が残っていました。「このスニーカーが残っていたとは…。」

シャワーを浴び、着替え、運転し、それが全て、その時間が全て無駄になってしまいました。

数々の失敗をしてきましたが、左右別の靴を履いて出かけ、目的地に着くまで気づかないなどはじめての経験です。やはり焦りは禁物、確認しないのも禁物。一つ一つきちんとやることの大切さを学びました。急いでいる時ほど、ゆったりと。

お読みいただき感謝します。良い1日になりますように。

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