葉室麟さんの描く日本人

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日本という国を誇りに思いたい

日本に生まれ、日本人としてこの国を誇りに思います。歴史や文化、精神性…、日本人の生き方の美しさや潔さ、優しさに価値を見出す人も多いのではないでしょうか。僕もその一人です。和を大切にする精神性と人としての生きる美しさが日本人にはあるように思うのです。(外国に住んだ経験がないので客観的に比較できないのが残念です。どこの国も大概同様で、僕のただの自分が生まれた国が一番いいという思い込みにすぎないかもしれませんが。)

蜩の記 秋月記 春雷 …

葉室麟さんは、日本人の潔さや美しさを描きます。読後には潔く美しく生きることの価値を深く感じさせてくれます。映画化された「蜩の記」はもちろんですが、こうありたいと思う理想の姿がそこには描かれています。そして、そのような人物が以前の日本には多くいたのだ、だからこそその精神のつながりが脈々と感じられるような素晴らしい人物が実際にいるのだと思えることが私にとって嬉しいのです。

「わたしにとっての正義とは、建前や理屈ではない。」

「春雷」の中の言葉です。「人が何事かを成し遂げ、作り上げるために互いに助け合うて苦しみを分かち合い、ともに生きることだ。」僕は、祖父や祖母に「どっちか折れねば、わがねぇんだ。負げるが勝ちだっていうべ。ぶつかってばかりだば、何もさなんねぇ。」なんて言われていたことを思い出します。若い頃は、自己中心的に考え、負けず嫌いだったので理解していなかったと思います。それぞれの立場からそれぞれの正義がぶつかったら、まとまるものもまとまらない。そして、互いに主張する正義は、大概どちらかが折れたところで何も大して変わらない。ただ自分の我を通したいだけ、負けたと思いたくないだけ。そう考えた時、本当の正義とは何か考えさせられました。

「野の風に吹かれ、川の水に手を浸し、

山野の風物を愛で、作物の実りを楽しむことができる。人にとって存外大事なことなのだ。」「秋月記」の中の言葉です。人は執着すると苦しみに苛まれます。歳を重ね、経験を積み、そのことに気づくと無駄なことや華美なことには、関心がなくなっていきます。無駄な欲から距離置くことができた時にきっと「自然の美しさを感じ、自然の恵みをいただき、周りの人々と感謝して日々生きることが人として感じられる至高の喜びだ。」と気づくのではないでしょうか。

葉室麟さんの作品には、僕にとって憧れの姿が、理想の姿が、そこには描かれています。世を思う情熱と学び続ける姿勢、武を修め、保身などせず、人を守り社会を守り、義を重んじる。そうありたいなぁと願うばかりです。

自分の未熟さが…

時代背景もあるのでしょうが、自分を振り返った時、未熟さが際立ちます。覚悟もなく、心構えもなく、登場人物たちに叱られそうです。

読んでいただきありがとうございます。良い1日になりますように。

 

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